『おぅ!久しぶり』
「あら。お久しぶりね」
『元気か?』
「まあね」
『こっちは色々あって大変だよ』
「知ってるわよ。いつも見てるもの」
『そうだよな。いつも照らしてくれてサンキュー』
「何言ってるの。別にあなたのために照らしてるわけじゃないわ」
『そうなの?』
「そうよ。だってわたしは、あなたの光だもの。まあ、あの人あってのわたしでもあるけど」
『お前は、いつも遠いんだよ』
「そんなこと言ったって、お互い様でしょ。あなたがわたしに着いてくればいいのよ」
『それはできないんだ。俺は、決められた道を辿らなければいけない。でもこうして、また、お前に辿り着くんだ』
「そうね。それでいいのよ。あなたが遠くにいくと、わたしは、また、あなたに光を向けられる」
『そして、俺はまた、お前に辿り着くんだよな』
「そうよ。わたしは、もう、あなたの元では生きられないから、あなたが、わたしの元で生活するときを待つだけなの。大丈夫よ。元々わたしは、あなただったのだし、あなたもわたしなんだから」
『そうだよな。俺の元を離れていったあいつらも、お前の元に、いるんだよな』
「そうよ。一心同体」
『また旅にでるから、見守っててくれるか?』
「当たり前じゃない。それしかすることがないんだから。また、あの人に力を借りて、あなたを照らすわ。わたしは、あなたがいなければ存在しない光。たくさんの念が込められていること忘れないで」
『わかってるよ。俺の中にいる、たくさんの俺を尊重できるように。いつかお前の元で生きられる力がつくように。行ってくるよ。また逢おう』
「うん。またね」
~Serendipity~
村田唯